濟北詩話
一卷
虎關禪師 師錬著
本篇は、濟北集二十卷の第十一巻にして、虎關禪師の著す所なり、禪師名は師錬、藤原氏、弘安四年生る、京師の人、其白河に濟北庵を剏めしに由り、集に名づく、元僧寧一山に建長寺に逢ひ、儒釋古今の書を審詢す、故に最も詩文に長ず、本篇多く唐の李杜王韋を評隲し、宋の林和靖・王安石・楊誠齋・劉後村等に及ぶ、其論ずる所鑿々として竅に中らざるなし、禪師曾て曰、今時我邦の庸流奔波して宋に入る是れ國の恥を遺すなり、我れ彼地に航し、以て我國に人あるを知らしめんと、將に海に浮ばんとす母之を阻るを以て止む、其の後醍醐天皇の信遇を承ること尤も厚し、足利高氏書幣を具して之を聘すれども辭して往かず、禪師は、尚ほ元亨釋書三十卷、聚文韻略五卷の著あり、皆禪門の寳典たり。
濟北詩話.pdf
2006年07月02日
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