2005年02月20日

「うわづら文庫」とは

これは、青空文庫への敬意を表した命名です。青空文庫がテキストファイルを提供し、さまざまな環境で読めるのに対し、この「うわづら文庫」は、著作権の切れた作品を、テキストではなく画像で公開する、すなわち上面だけのものだ、という意味です。

 「版権」(商慣習であり法的なものではありませんが)にも鑑み、著者の死後50年だけではなく、刊行後50年(団体名義の著作権の公表後50年になぞらえました。版面権を著作権法に盛り込むことを提案している日本書籍出版協会も50年を考えているようです。)を経過したものを載せます。
 版権がずっと続くと思われる向きもあるようですが、著作権の考え方からすれば、それはありえません。「不許複製」と書いてあっても、永遠に有効ではありません。
 また、「現在も版を重ねている」「復刻している」ということも、電子版の公開を差し止める力を持っていません。改版しているのであれば、50年以上前の版によっている、本うわづら文庫版とは別物ですし、古いものをそのまま使っているのであれば、版面の更新はないわけで、版面権の存在を認めるにしても、版面権が更新されてゆくことにはならないはずです。



 著作権の保護期間が終了し、公共の財産となったものを、載せているものです。

 底本の選択については、学術的であるとか、貴重であるとか、そういうものとは無関係に「読めればよい」「手元にあってスキャンしやすい」という立場で選びます。底本を示すために最後に刊記の部分を入れておこうと思っておりますが、スキャン初期のものなどで忘れているものもあります。また、当初から抜き刷り・抽出製本・切り貼り帳等の形で入手しているものもあり、書誌情報が示せないものもあります。

 主に画像のpdfファイルでの公開ですが、透明文字が張り付いているものもあれば、単なる画像のものもあります。透明文字が張り付いているものでも、おおむねは認識率が低いものです。
古い書籍を画像化したものが多いために、OCRとの相性が悪いからです。

 なお、うわづら文庫本館は、こちらです。

リンクをしていただく場合には、pdfファイルへ直接ではなく、blogページへしていただけると有り難く存じます。
posted by うわづら文庫主人 at 15:10| Comment(6) | TrackBack(1) | 説明 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうですか。わたしは青空文庫への悪意を込めて、あほづら文庫を作りました。
Posted by kiebine2002 at 2005年09月30日 14:56
検索して見付けました。
http://www.geocities.jp/kiebine2002/
ここですね。

悪意にせよ、対抗して電子化したものを公開するwebページを作り出した青空文庫の波及力に、改めて敬意を表したいと思います。
Posted by 岡島昭浩 at 2005年09月30日 15:22
青空文庫は反面教師ですから、あまり敬意を表するにはあたらないと思います。
ついでに会費は払いません。
Posted by きえびね2002 at 2005年11月10日 14:23
あほづら文庫、あれはやめた方がいいね。
学校の先生がやることじゃないよ。
少なくとも、あんな先生が人の手本にはなれないね。
Posted by ダメコ at 2007年11月20日 13:23
すばらしいサイトです。興味深い本は本当に多いです。将来は群書類従と続群書類従の本を電子化する予定ですか。著作権はもうなくて、なかなか面白いものは多いです。
私はイタリア人で日本文化を研究しています。
Posted by Clemens at 2010年07月27日 23:00
岡島先生
素晴らしいサイトを有難うございます。
浮世絵考のパーマリンクをオープンドキュメントやウィキペディア等で「うわづら文庫」のpdfにしたいのですが如何でしょうか。
理由は、ある典拠の固有IDにパーマリンクしたいのですが、、、ブログですと複数作品が掲載されていますので。 
よろしくお願いします
Posted by 福田伯堂 at 2013年07月20日 11:22
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